1. HOME
  2. 法話
  3. 上村隆法

上村隆法

法話を聞く

こちらは西山浄土宗総本山光明寺テレホンセンターの上村隆法です。今年も早いもので十二月になり、何かとあわただしさを感じる今日この頃です。皆様、お変わりなくお元気でお念仏をいただいた報恩感謝の日暮らしをなされていることとおよろこびを申し上げます。

さて、十二月といえば「成道会」が全国の多くの寺院でおごそかにもよおされます。「成道会」と申しますのは、今からおよそ二千五百年前にインドでお生まれになったお釈迦様が、菩提樹の下でおさとりをお開きになられたことをお祝いして、いとなまれる法要であります。あと四月八日のお釈迦様の誕生を祝ってもよおされる「降誕会」、それからお釈迦様がお亡くなりになられた二月十五日には「涅槃会」という法要があります。この三つのお釈迦様に関する寺院の仏教的行事を「三仏忌」といいます。

私たちが阿弥陀様の大きなお慈悲のお心につつまれて、日々の暮らしを有意義に暮らさせていただいておりますのは、お釈迦様が生誕されて仏教をお開きくださったからであります。もしお釈迦様がこの世にお生まれにならなかったら、高祖善導大師も、宗祖法然上人も我が宗の流祖西山上人も、この世においでにならなかったかもしれません。ましてや法然上人のお言葉にあります、あいがたき本願にもあえないし、起こしがたき道心も起こせていないのです。そして私たち凡夫は、輪廻の里を離れてお浄土に生まれることが出来ないかもしれません。

つまり、お念仏のルーツはお釈迦様の生誕とおさとりにあるわけです。一年の締めくくりとしてお釈迦様に感謝し、さらには宗祖法然上人や流祖西山上人のお勧めするお念仏にあらためて感謝しなければなりません。このように考えて、新年を迎える心の準備をしてはどうでしょうか。

今日は、お電話を頂きましてありがとうございました。