宮井匠伍
法話を聞く
こちらは西山浄土宗総本山光明寺テレホンセンターの宮井匠伍です。
私は在家出身です。
15歳の時、数珠を左手で持つことすら知らなかった私が、縁あって仏門に入りました。
高校を卒業し、18歳で我が宗の総本山、光明寺で2年間の修業生活を送る道を選びました。
お経も殆んど読んだこともなく、衣も着たことがない、たたみ方もしらない、本当に何も知らなかった私でありましたので、当時は修業が辛いと思うことも多々ありました。
毎日朝にお勤めをし、箒を手にし、講義を受け、またお勤めをする。
辛いと思っていたことを繰り返す内に、少しずつですが自分の心が変わっていくのが分かりました。
なによりも私は、仏教を勘違いしていたことに気づきました。
仏教は先祖供養だけの教えではありません。
仏教は仏様に自分の願いが叶うようにお願いする教えではありません。
仏教はこの世をあきらめ、あの世での幸せを願う教えではありません。
また、つらいこと悲しいことは誰もが避けたいことですが、自分にとってかなしいこと
嫌な事を仏様にお願いして、取り除いてもらおうとすることも仏教ではありません。
そして、我が宗西山浄土宗のお念仏の教えは『感謝のお念仏』です。
阿弥陀様のお慈悲につつまれていることに気づくこと。
普段何気なく暮らしている中に、無数の恩があり、その恩に気づくこと。
そこに大きな大きな感謝が生まれ、その歓びに南無阿弥陀仏とお念仏を称えるのです。
なぜ阿弥陀様に手を合わせるのか?
それは、私を真理に導くはたらきをして下さっていると感謝をし、礼拝をするのです。
何も知らなかった私が2年の修業を経て、今一番に思うことは、
修業のなかで、色々な事に感謝できる心を育てていただいたお蔭で、
今の自分があるということです。
まだまだ若輩者の変わりない私でありますが、この場でお話しできることにも皆様のおかげと感謝して終わらせていただきます。
お電話ありがとうございました。