榊原是宏
法話を聞く
こちらは西山浄土宗総本山光明寺テレホンセンターの榊原是宏です。
京都では、桜の季節を迎えようとしています。
先日ラジオで、仏さまについての話が流れていました。
「一番が仏さまで、阿弥陀仏(ぶつ)とか如来と呼ばれ、既に悟りを開いてお浄土、仏さまの国で教えを説いています。二番目が菩薩です、よくご存じの観音菩薩とか、地蔵菩薩です。菩薩さまは仏になるために、今も修行をされています。」と言うような内容でした。
私たちは、どうしても人間の物差しで色々なものを選んでいます。何となく二番より一番の方が偉いと。
観音さまは二番なのでしょうか。
ちょうど、ご本山発行の新聞「ひかり」の一月号に、観音さまのお気持ちが載っていました。
「観音菩薩は、既に如来に等しい身でありながら、あえて仏とならず、私たちの世界にあらわれて、菩薩として衆生済度をしておられます」と。
阿弥陀さまも遠いむかしに、「全ての人々を必ず救う」という願いを起こし、菩薩として多くの修行をし仏となられました。観音さまも、阿弥陀さまと同じ願いで修行して、仏の位になられたのですが、苦しんでいる人々を、直接この手で救いたいとの思いから、あえて仏になることを止めて、菩薩として私たちの世界に止って下さったのです。
お母さんは、心地よく眠る我が子の安らかな寝息を聞いて笑顔になります。しかし、少しぐずれば、お腹が空いているのか、おむつが汚れてるのか、どこか痛いのだろうかと思いを巡らし、跪いて、我が子の背中に両手を差し入れ、その胸に優しく抱いてくれます。
記憶にもない子どもの頃から今日まで、そんな思いに包まれ続けていたのです。
東日本大震災から3年。それぞれの人がそれぞれの思いを、改めて心に刻んで。 南無阿弥陀仏
お電話ありがとうございました。